健康とは
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健康とは、何か。誰しも世界中の人が考え、必要な大切なことです。そして健康な人も、病気の人も、病気を克服してまた健康でありたいと願うのではないでしょうか。
ところで健康とは一体なんでしょうか。
手元にある国語辞典(新明解国語辞典 第5版 三省堂 2000年3月発行)によると、
(肉体的・精神的異状が無く)日常の社会生活や積極的な行動に堪え得る体の状態。
とあります。
また有名なWHO(世界保健機関)は健康を次のように定義しています。
健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱
の存在しないことではない。
よく見ると、この二つ矛盾しているののがわかるでしょうか。上は、肉体的・精神的に異状があってはならないのですが、下のWHOの定義ですと、疾病や病弱は許容範囲であれば、それは健康であることの弊害にはならないのです。
さて、このWHOの健康の定義に霊的(スピリチュアル)、動的(ダイナミック)の変更点を加えようという動きがかつてあったのをご存知でしょうか。理事会では採択されたのですが、総会では、今すぐに変更しなくても、まだ議論の余地があると当時採択されなかったとあります。(詳細は参照のリンクをご覧ください。)
さて、霊的(スピリチュアル)とは何でしょうか。下記にあります、厚生労働省健康局の診断時からの緩和ケアににあります4頁の図がとてもわかりやすいです。こちらは痛みペインについてのもですが、どれもが影響しあっていて、どれもが違った存在であるものです。
と考えると、まだWHOの健康にはスピリチュアルの言葉は入ってはいませんが、そう遠くない未来に加わるかもしれません。
さて、健康でいるにはどうしたらいいか、それは痛みペインを和らげることであるとするならば、今までは身体的、精神的、社会的に緩和をしてきたがそれだけでは不足であるとして登場したのが、スピリチュアルなのかもしれません。
この文書の中でもこれからは予防が大事とあります。例えばスピリチュアルペインの中の死への恐怖を緩和するのに、予防方法の一つが予防終活であり、それは予防グリーフにも繋がります。
いつかは必ず来る「死」を、怖いからと考えないと避ける日々は恐怖を増大し、それはスピリチュアルペインの増幅になってしまいます。
それならば、「死」を拒否するのではなく、受け入れて、行動してみてはいかがでしょうか?
そのことは他の苦痛を取り除くことにも影響を及ぼし、きっと自らの変化に気づくのではないでしょうか。
夫が脳卒中で倒れ、救急車で病院に運ばれる時、痛みからでしょう。顔が歪んでいました。
13日間の闘病の末、もう最後と医師から告げられた時、必死にしたことは、できるだけたくさんありがとうを言うことでした。それしかできないという気持ちと、耳は最後まで機能する体の器官というのがふっと思い浮かんでのことだったと思います。
手術後はずっと表情のなかった夫の顔が心なしか微笑んでいるように見える、穏やかな顔になりました。
もしかしたらあの時あそこにいたみんなでいったありがとうが全部聞こえて、夫の心に影響を与えたんだと思いました。
確かに死の瞬間でしたが、でもあの瞬間夫の死の恐怖とスピリチュアルペインは取り除かれたのだと、夫の微笑んだ顔をみて思いました。
その人なりの健康があり、スピリチュアルの価値もあるでしょう。
だからこそ、その人なりのスピリチュアルケアを考えることが病気の予防にもつながり、健康でいる手助けになるのではないでしょうか。
人それぞれ、さらには命ある全てを尊重し、大切に思うことは目に見えない健康に生きるための大切ことと考えます。
リ・そうるけあ
高山和 たかやまあい
(参照)2024年3月20日
(厚生労働省 健康とは 平成26年厚生労働白書)健康長寿社会の実現に向けて 〜健康・予防元年〜)
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/dl/1-00.pdf
厚生労働省 WHO憲章における「健康」の定義の改正案について
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1103/h0319-1_6.html
(厚生労働省 WHO憲章における「健康」の定義の改正案について その後)
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1110/h1026-1_6.html
(日本WHO WHO憲章における「健康」の定義の改正案について)
厚生労働省健康局 診断時からの緩和ケアについて
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000800331.pdf