水の音の力 – リ・そうるけあ

水の音の力

カテゴリ:お知らせ
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水の音の力

 

昨日、朝倉彫塑館に行ってきました。朝倉文夫の自宅兼アトリエだったところです。部屋の真ん中にはゆうに4〜5メートルはあろうかという椅子に座った小村寿太郎像の彫刻に圧倒されました。いろんな驚きがあったのですが、一番驚いたのは水の音の演出でした。

彫刻はたくさん展示がありました。とても大きなものをどうやって制作したのだろうと不思議がると、ガイドの方がこの部屋の床は下に下がるのだと教えてくれました。そして天井も非常に高く、3階建てで屋上には野菜たまねぎや見事なオリーブの木がありました。

すぐそばにある谷中霊園が見渡され、屋上にはそこを見ているかのような彫刻も屋根にあるのが、まるで家からのメッセージをこの彫像たちが発信しているかのようでした。

 

そして訪問して初めて知ったことに、大の猫好きだったそうで、好きな人でなければ見落としがちな一瞬の動作の猫の彫刻もありました。訪問した時は、ひなたの座布団が置いてあってその上に昼寝をしている彫刻があり、思わず、動き出すのではと言わんばかりの可愛さで愛で、つい撫ぜたくなるほどでした。

 

そして特筆すべきは、庭園の池にある水の音の造形です。噴水と呼べるほど大きなものでなく、水の優しい音の情景が各部屋ごとに違って見え、聞こえするのは、朝倉文夫がこの建物に流線型を多く取り入れたことにも共通するのかもしれない。階段の手摺りの丸さなど至る所。だから猫の体型の曲線をも、ブロンズという堅いものでも表現を追求できたのかもしれません。

 

リ・そうるけあのワークでも水から感じ取る、味覚、聴覚のワークがあります。現代人は水と親しむ時をあまり持たなくなったことにこのワークは気がつかせてくれます。

 

今回は彫刻家がくれた、思いがけない水の音のプレゼントを堪能しました。

 

 

企業組合リ・そうるけあ

代表理事 高山和 たかやまあい