言葉は気持ちを伝えてくれる 文化の違いによるグリーフケアの相違点⁈ – リ・そうるけあ

言葉は気持ちを伝えてくれる 文化の違いによるグリーフケアの相違点⁈

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国連ノーマンロックウェルの壁画

言葉は気持ちを伝えてくれる 文化の違いによるグリーフケアの相違点⁈

 

今でも稲妻が走ったように忘れられない体験があります。

それは、当時私の英会話の先生にかけてもらった言葉です。悲しいことがあり、それに対する返答の冒頭の言葉でした。

 

「(私は)そのような悲しいことを聞いてしまってごめんなさい。」

 

でした。彼女の人柄もありますが、英語圏や欧米文化によるところも大きいと思います。なぜなら別の国の英語圏の友人も同じように接してくれた経験があります。

 

ところが日本であれば、最初の一声は、おそらく下記のようではないでしょうか。

 

「それは辛かったですね。」あるいは、「大変でしたね。」であり、上の言葉は使わないのではないでしょうか。

 

この違いは、上の言葉は相手の言葉を受け止めて、自分の立場から相手を気遣ってますが、下の通常私たちが使う一般的な返答は、相手の気持ちを想像して言っています。しかし言葉を変えれば、自分はそうでないけど、あなたはそうだったんですねと他人事ともとれます。

 

相手を理解することは一瞬ではできないことです。それならば自分の気持ちを素直に伝えることはとても重要ですし、言ってもらった方も思いやりがすっと気持ちに入ってきます。

 

グリーフケアを日本語すると、悲嘆ケア、あるいは悲嘆療法です。もちろん身近な友人や知人に話しを聞いてもらえたことで癒しされることでしょう。私も実際に経験があります。

 

今や家族との突然の悲しみがあってもなかなかその後ずっと家族共に悲しみを癒し合うのは難しいものです。仕事や生活圏の違いで、葬儀が終わると悲しみに沈んだ気持ちのままで日常生活に戻らなければいけない方も多くいるでしょう。

 

そういった時は、グリーフケアの専門家や精神科医院や臨床心理士等の専門家でご自身の相性を考えて選ばれるといいでしょう。

もう一つ気をつけたいのは、専門家でない方の場合、支配してしまおうとする場合があることです。相手は心が弱っているわけですから、判断力が落ちているかもしれません。だからと言って、自分の思い通りにコントロールできるわけでもなく、それは治療ではありません。

 

いかにご相談者様のこれからの前に進む道を見つけていけるかを一緒に探っていくところまでいければ、そのときはきっと、ご相談者様は自分の言葉に自信を取り戻していることでしょう。

 

相手を尊重して常に対応できているか日頃の自分の行動も点検したいところです。

 

リ・そうるけあ

高山和 たかやまあい

 

注:画像は国連のノーマンロックウェルの壁画