ニオイは語る
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憧れの人、会ってみたい人はいますか?
憧れの人、会ってみたい人はどなたもいることでしょう。ではその方の顔や容姿を知っていますか?今やネット社会、以前よりも顔などわかる機会も多いかもしれません。
しかし、会ってみないとわからないことがあります。
それはその方の雰囲気や香りです。香水やコロンをつけていない方でも、何となくそのかたの香りはあるものです。
一方、歴史を知りたいと博物館へいったり、美に触れたいと美術館に行っても、展示がないのは「匂い」や「臭い」です。昔のものを展示していても、ガラスケースの向こう側に大切に置かれています。ニオイを知ることはできません。
そういえば、平安時代、貴族や優雅なイメージがありお香が風流としてあったのかと思うと、実は都の牛馬や排泄臭などの悪臭を消すためであったとかー。
また少し時代が飛びますが、沖縄戦の陸軍病院壕内の「ニオイ」の再現記事を読みました。
かつてそこにいた人のニオイの記憶の証言を頼りに作ったそうである。ひめゆり学徒隊の方や当時を知る方だそうだ。そして2015年から豪の見学者にニオイ体験をしているそうだ。
現在は消臭剤がたくさんあり、洗剤であれなんであれ、ましてや臭いニオイなど、周囲に程遠いものです。
しかし、私たちはご飯を食べて体の中で消化して、いらないものは排泄しています。
ニオイはその当時のことを一瞬で私たちに語りかける大切な繋がりなのではないでしょうか。
リ・そうるけあ
高山和 たかやまあい
(参考)
REIHAKU 特集 歴史の「匂い」 大学共同リオ行き間法人 人間文化研究所機構 国立歴史民族博物館 株式会社 文学通信 2022年10月26日発行